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株式会社設立サポート

平成18年の会社法施行により、従来に比べて会社設立の敷居は下がり、経営に関しても様々な面で自由度が高くなりました。これらは経営者やこれからの経営者にとって多くの恩恵がある反面、ルールを良く理解しておかなければ有利に経営を進めることはできません。ルールを上手に活用することは、会社経営の成功にとって不可欠といえるでしょう。

さて、今回は主に株式会社設立についてお話いたします。

その前に、株式会社を設立する或いは法人としてビジネスを行うメリット・デメリットについて知っておきましょう。

【メリット】

  • 事業利益がおよそ500万円を超える場合に税金面で有利になる(節税できる)
  • 法人を対象とした公的融資や助成金の申請ができる
  • 法人を対象とした各種許認可の申請ができる
  • 生命保険を始めとする様々な出費を経費計上できる
  • 赤字を最長7年繰り越すことができる(個人事業主の場合3年)
  • 消費者や取引先に対して一定の信頼を得ることができる

【デメリット】

  • 設立費用が必要になる
  • 赤字でも年間約7万円の税金がかかる
  • 税務申告の細分化にともない会計事務が複雑化する
  • 倒産や廃業の際に手続きが必要となる

私どもが見てきた成功している経営者のほとんどは、損を減らすことを利益と同じように重要視しています。上記のメリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えることが成功する経営の第一歩といえるでしょう。

株式会社設立に際して最初に行うことは定款の作成です。定款とは、商号や事業目的、資本金や運営組織など会社経営に関して最も重要な取り決めを記載するものです。定款を定めない限り株式会社として認められません。

そして、基本的に会社組織は定款に記載したこと以外の活動を行ってはいけません。将来的な事業拡張を見据えたロードマップや、資金繰りを予め検討したうえで万全な定款を作成しましょう。作成した定款は、公証人役場で承認を受けることにより効力を発します。

定款を作成したら法務局で登記申請を行います。会社組織等の形態によって、様々ですが代表的なものとしては、登記申請には以下の書類と会社実印が必要となります。書類に不備がなければ、2週間前後で登記が完了します。

  1. 定款(認証済み謄本)
  2. 登記申請書
  3. 発起人決定書または発起人会議事録
  4. 取締役・監査役の調査書
  5. 払込金証明書
  6. 代表取締役個人の印鑑証明書
  7. 登録免許税の納付書
  8. 資本金の額の計上に関する証明書(現物出資がある場合)
  9. 取締役の調査書・財産引き継ぎ書(現物出資がある場合)
  10. 株式引受けに関する発起人全員の同意書
  11. 発起人の議決権の過半数の一致を証する書面(上記3はその趣旨?)
  12. 設立時代表取締役を選定したことを証する書面
  13. 設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその付属書類
  14. 設立時取締役・同代表取締役・同監査役の就任承諾書

会社登記が完了した後も、税務署への法人設立届けや青色申告の承認申請、社会保険の届出など様々な機関への手続きが必要となります。ひとつひとつを確実にクリアして、事業に専念できる環境づくりをしましょう。以上が会社設立の大まかな流れです。

私どもはこれらの会社設立に関するサポートだけでなく、これから経営者になる皆様と「本当に株式会社を設立することが最良の手段であるか?」というスタート地点から一緒になって考え、最も合理的な起業のお手伝いをさせて頂きます。また、既に会社経営をされている皆様にも、ビジネス全体のご相談から、各種助成金の申請や節税に関するご相談まで企業経営に必要なリーガルサービスを一括してご提供させて頂いております。また最近では比較的少額から開始出来る電子メールを利用した新しい法律相談体制「EAP」、「BAP」の設置についても承っております。

EAPとは?
Employee Assistance Program の略で、従業員の抱えている個人的問題や心の悩みについて、カウンセリングを行って問題解決し、職場環境と従業員の職務能率を維持向上させるシステムを言います。弊事務所では、企業の従業員の方からの悩み(心の問題、暮らしの中での紛争、家庭内トラブルなど)を法律相談という形で受け、電子メールで相談から原則24時間以内に回答するサービスをご提供しています。

BAPとは?
Business Assistance Program の略で、会社が事業活動を行っていく際に生じる簡単なビジネス相談案件(例えば、取引契約書を簡単にチェックしてほしい、印紙税額がわからない、監督官庁へ匿名で問い合わせをしてほしいなど)につき、電子メールで相談から原則24時間以内(契約書のチェックは2~3日)に回答するサービスです。顧問弁護士が不在の場合や、スピーディーな法律回答を望まれる場合に有用です。

田中 竜介
専門分野
労働法、その他企業法務全般
学歴等の経歴
慶応義塾高校、慶応義塾大学法学部政治学科卒
登録している弁護士会
弁護士登録(東京弁護士会)
著作
「公益通報者保護法と人事労務Q&A」(労務事情 2012年3月1日号)
「節電対策と職場の安全衛生Q&A」(労務事情 2011年7月15日号)